これまでは企業や工場などでの活用が中心だった「ロボット」が今、家庭への本格的な普及期を迎えようとしている。各社は具体的なロボットビジネスを打ち出し、一般家庭用ロボットも数多く目にするようになった。そんな家庭用ロボットのカテゴリーにおいて、次世代ロボとして注目されているのが「スマートロボット」だ。
スマートロボット=スマロボとは、ロボット同士がインターネットを通してつながり、データを連携することで成長していくシステムのことを指し、スマートフォンに続く新たな“デバイス”として注目されている。ロボットビジネスを展開する各社が今後、様々な連携を取りながら「スマロボ」市場を盛り上げることが期待されていて、現在、具体的な製品化に至っているロボットもある。
●会話を通じて学習し成長していくコミュニケーションロボット「Palmi」(富士ソフト株式会社)
これまで、介護施設や研究機関向けにコミュニケーションロボットPalro(パルロ)の開発・製造・販売を行ってきた富士ソフトが、一般向けにコミュニケーションロボットPalmi(パルミー)を販売することを発表。これは、人間同様に家庭内で学んで成長し、自発的なコミュニケーションを取るようになるロボットだ。最初は赤ちゃんのようにカタコトの日本語しか話せないが、人と接することによって言葉を覚えていき、次第に利用者の行動データを解析、それに合わせて提供する話題が変わっていくという。
販売価格:29万8000円(税別)。
●家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO」(ユカイ工学株式会社)
「ロボティクスで世の中をユカイにする」をテーマにネットとリアルをつなぐプロダクトをつくるユカイ工学は、チームラボを猪子寿之氏とともに立ち上げた青木俊介氏がCEOを務める。そんな同社が「家族をつなぐコミュニケーションロボット」として完成させたのがBOCCO(ボッコ)だ。レトロ感が漂う風貌のBOCCOだが、性能は極上。外出先から自宅のBOCCOへ向けて伝言を送ることができ、文字の場合はロボットが読み上げてくれる。また、玄関や冷蔵庫、トイレのドアの開閉状態など、家庭内に設置したセンサーが読み取った情報をBOCCOを介してスマートフォンに通知することも可能。外出中でも家族の生活の様子を知ることができる仕組みだ。
販売価格:2万9000円(税別)。
いずれも「自宅に1台は欲しい」と思わせるロボットだが、実はこれらのロボットは、DMMのロボット事業「DMM.make ROBOTS」が独占販売する。どちらも現在予約受け付け中で、5月初旬から発売されるという。「DMM.make ROBOTS」は、「ロボットキャリア」としてロボットベンダー製品の販売・プロモーションをECプラットフォーム型で行っていく予定。「日本を真のロボット大国とし、人とロボットの共存を目指す」と掲げ、「スマロボ」の普及に力を入れていく考えだ。
今年は、大きな話題になっているPepperをはじめ、家庭での利用が期待されるロボットが続々販売される「家庭用ロボット元年」ともいえる年。今後も身近なロボットにますます注目が集まりそうだ。
(R25編集部)
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